「これでうちの店も安泰だとあの時は思っていたのだけど」と語るのは、最新鋭の洗濯乾燥機を導入したばかりのコインランドリーのオーナーさん。
タッチパネル式の操作盤に、大容量のドラム、そして除菌・消臭の機能まで備えたその機械は、まさに「期待を超える洗濯体験を提供する最先端のランドリー」と呼ぶにふさわしいものでした。内装も清潔感あふれるモダンな空間に出来上がった店舗に、オーナーは確かな手応えを感じていました。
金額面でもよく使ってくれる方に還元しようと、店内のポスターでスマートフォンアプリ連動で割引になることを伝えた。
落ち着いて居られる空間になるよう、清潔感にもこだわっていることを分かってもらうために何時に清掃が行われたかを、利用者にも見えるチェックボードを掲示しました。
天井のエアコンに加えてサーキュレーターを置こう!
店内のPRポスターは全部『です・ます調』にしよう!
おしゃれなゴミ箱にとりかえよう!
手洗い水道にCMで有名なハンドソープを置こう!
熊のキャラクター「せんたっクマ」「よごしっクマ」のコンビが大型乾燥機でダニ退治するアニメをつくって店内の天井吊りモニタで映そう!
なんなら「せんたっクマ」のアクスタもつくりたい!
オーナーのこだわりは細部に渡りました。
「これならご利用者さんも喜んでくれるはず」
しかし、現実は甘くありませんでした。オープンして数週間、期待に反して客足はまばら。
「なぜだろう?こんなに良い設備なのに…」オーナーは首を傾げました。
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こちらのコインランドリーは、コールセンターを私どもランドリーサポートに委託していただいており
「期待したほどお客様がいらっしゃらなくて。せっかく最新の機械を入れたのに」と、集客の相談を受けました。
【改善の考え方】
- 通行人が少ない立地でお店の存在が浸透していない
- 利用者の満足度に注力しているが、新規来店者獲得の取り組みは別
- 利用者の口コミ評価に期待しても実際には僅か
- 利用者は混み合うと困るのでネットレビューはつけない
利用者の実感でよく聞くのが4.です。コインランドリーは、混み合ってしまうと自分の利便性が下がってしまうので、わざわざ赤の他人に勧めるようなことはしないそう。
最大の問題は1.です。どんなに快適なコインランドリーでも、最新の機会でも、おトクなサービスでも、知らない人にとっては存在しないのと同じです。
まずは、店舗の場所や最新設備のメリットを伝えるチラシを撒きましょう!
特に、乾燥機能の高さや、キャッシュレス決済で値引きになることなどを前面に出すと良いですよ。
数日後、周辺の住宅街にオーナーのこだわりが詰まったチラシが配布されました。
すると翌日から、店の来客数が一変しました。車でまとめ洗い、大物洗い・乾燥をしにくる新規の利用者が急増。
「まさかこんなにも効果があるとは!店ではアピールしていたつもりだったけど、地域への宣伝は全然足りていなかった」
オーナーはチラシを眺めながら、改めて実感しているようでした。良い設備や環境を作るのはもちろん重要ですが、その良さをいかに伝えるか。
新しい来店者を獲得するために、まずは知ってもらうためにもターゲットエリアにチラシ配布は効果的ですね。